この出て行った男もさぁ、初めは客のひとりだったんだ。
電気器具販売会社に勤める普通のサラリーマン、でもぉ…私が養ってあげるからと、直ぐに会社を辞めさせたわ。
私は、男の収入なんて充てにしてないもの。
私の稼ぎの方が遥かに多いし、それに…私が男に求める条件は…ちょっと普通じゃない。
そぅ、家事をする専業主夫…でもイケ面で年下でなくちゃダメよ。
もうひとつの条件は…ベッドで私のペットになる事。
まぁ長く続いて半年、早い男だったら3日も経たないうちに部屋を出て行くわ。
男の疲れるのが早いか…私が飽きるが早いか……。
私は、年下コレクターと呼ばれそうなほど、男を数知っている。
眩しい朝の光で目が覚めた。
ん?横に男の匂い?
誰だっけ?
それは、若い引き締まった背中…当然よね。
しわしわとか、ぶよぶよの背中なんて、絶対死んでもベッドに入れないもん。
私は、昨日の夜の記憶をゆっくりと思い起こしてみる。
仕事が終わり…クラブに飲みに行った。
誰かと? そぅだ、最近知り合った客、年下のイケ面…佐々木仁。
この男はかなりの男前…正しくタイプど真ん中だった。