ラブホテルの冷蔵庫開け、缶ビール取り出しプルタブを引いた。
佐々木が、首を傾げている。
まだ飲み足りないのかと…目で聞く。
言葉のない問いかけなんか無視して、ゴクリゴクリと一気に飲み干した。
さっきまでの…アリスが視界にいた時の酒の苦かった事……このビールは口直しの酒だった。
佐々木は背を向け…眠りの準備…私を置き去りにして……。
この頃、夢の国もご無沙汰だった。
ホテル入ると、佐々木は直ぐにバスルームに直行…歯を磨き…深夜のニュース見て…眠りへと入って行く。
眠りの世界から、朝まで帰って来ない。
思いやる言葉も…優しい愛撫も…そこにはなかった。
朝が来て、モーニングを二人で食べる。
無言のまま…そこを出たら…お決まりのパチンコ店へ…事務的にスケジュールをこなしていく。
最近、スロットコーナーとパチンココーナーとに分かれるので、隣同士に座る事もなくなった。
昼には昼食…パチンコ屋出たら晩食を静かにとり…そして、佐々木が一番張り切るアラビアンナイトへと向かう。
佐々木は、私をアラビアンナイトに連れて行くのじゃない……。
私の財布を連れて行くのね……。