夢の中か…で、じゃあの後ろ姿は何なんだ?

リコが嘘? そうか俺の錯覚か?

思い過ぎて気がおかしくなってる? 幻?


夕方、居酒屋でイーグルと落ち合った。

イーグルの内面でいったいどんな革命があったというのか…何故かやたらに明るかった。

そこで、金の入った封筒を受け取った。

さて…今からイーグルをどう料理するか…早くリコに会いに行きたいのは山々だったが…このまま別れては、血も涙もなく思われてしまう。

この金庫を手離す事は、当分出来なかった。

俺は、イーグル金庫に愛しく愛撫した。

ポケットに忍ばせた携帯コロンで、石鹸の香りを消し、俺はハリウッドのドアを開けた。

「佐々木君、いらっしゃいませ、遅かったから心配したわ」

リコが俺の横に腰をおろした。

「約束したら必ず守るって言っただろ」

と、金の入った封筒をリコに差し出した。

お前は何にも知らないが…これは…昨日と今日二日にかけて、肉体労働した汚い金だ。

「佐々木君、これって……」

「30万……」

「えっ?本当に…ありがとう…お給料から少しずつ返していくから…ごめんね」