俺は、ダンディーライオンを背に、ビルの外に出た。

果たして…リコと同じ格好した女は…本当にリコなんだろうか…。

まだこの店で飲んでいるんだろうか…。

それとも、もう帰った?

ホストの閉店時間は明け方5時~6時の世界、それまで…ここで…ビルの前で待とうか?

馬鹿な…不確かな事情に、そんな馬鹿げた事は出来ないや……。

俺はリコに電話してみた。

留守電応答だった。

メールも入れた…が返信はなし。

もう既に熟睡している…振りを演じているのか?

情けない…俺様とした事が…女のケツ追い回すなんて、ありえない事だ。

馬鹿げている、アホらしい、もう帰ろう。

ハッキリした真実はまだ明確ではない、明日確かめよう、直接リコに聞いてみよう。

例えば…友達がホストクラブの常連で、急にたまたま呼ばれて、行ったかも知れないじゃないか……。


次の昼、リコからメールが入った。

「今、お昼の休憩時間で~す。昨日の夜中、電話とメールくれてたんだ…家に着くなりバタンキュー、夢の中でした。ごめんね、返信遅くなっちゃって。今日も来てくれるんですよね。リコ…楽しみに待っていますね」