リコに客が付くと、何処か遠くへ行ってしまいそうで、凄く不安になる。
が…客が付かなけりゃ、リコの身にならない。
痛し痒しの世界で、俺はアップアップしていた。
俺も、何か仕事探さなきゃ…このままではいけない…。
閉店のミュージックと共に、店内は明るくなり、誠が会計を持ってきた。
「仁、お前、完全にはまったな」
俺は無言で、支払いを済ませる。
嫌な言い方しやがるよ、全く……。
人聞きの悪い事言うな、何がはまっただ?
人をキャバ通いするアホな客みたいな言い方しやがって!
俺様を一般扱いすんな!
遊びの一環何かじゃねぇよ、リコに会いに来てるのはな…これは、これは恋なんだ…純粋に恋なんだよ……。
「佐々木君、ありがとう、じゃまた」
「おっ、またな、おやすみ」
アフターも死ぬほど誘いたかったが、リコは昼も働いている。
睡眠させてやらなくては、俺は聞き分けの良い男演じながら、振り返る事もなく店を後にした。
タクシーをつかまえようとした時、携帯の着信音が鳴った。
ディスプレイに、何とイーグル!!!