金貸し屋か…イーグル金庫の停滞した俺が、紹介して欲しいくらいだよ、まぁ…借りたところで、俺には返すめどもないけどね……。
「で…いくら必要なの?」
「取り敢えず…30万ぐらいは……」
30万? ……リコの視線は下に向いた。
細い肩に白くスッとのびた腕、哀しき俯くリコ……。
その時、俺の口が勝手に喋り出した。
「俺が何とかするから…なっ…」
リコが真っ直ぐに俺を見つめる。
佐々木仁よ、何かっこ付けてんだよ!
ニートのお前が何とか? そんな事出来る筈ねぇじゃないか、そんな金どこにあんだよ!
かっこ付けてみたものの…よわったな…こまったよ…頭の中パニック状態のまま、俺はリコと店に入った。
おかめに、青山ひろみ…野田…お袋…もう誰も、俺なんか相手にしないだろう。
残った奴は…やはりイーグルだけ…辛うじて繋がりのある女は奴だけ……さて、どうするか…。
リコもこの頃、指名客がチラホラ付き始め、俺の席で座っている時間が短くなってきた。