田舎の中学校に通う私は
恋なんてものまだ
わからなかった。
この時までは…


「おーい、とーーか!
おはよー」
今声をかけてきたのは
親友の藍だ。

「おはよー!」
私も藍に負けないぐらい
大きな声で返した。

「おい桃。
朝からお前でかい声だして
うっさいねん。」

「うわっ!」
いきなりでびっくりした。

鈴木涼助。
陸上部に所属している。
こいつは私のことを
「もも」と呼ぶ。
ももと呼ぶのは
涼ただ一人だ。