私19歳、タロちゃんの頭に
白髪を見つけた。





タロちゃん、老けたね。

おいおい、まだ25歳だぞ。

だけど、ほら、
白髪が一本。

それは若白髪っていうんだよ。
おまえの頭にも
ほら、
あるはずだよ。




タロちゃんの指が私の髪を梳く。

しなやかに
流れゆく黒髪。

白髪なんてあるはずない。






タロちゃんが、
自然と
私の身体の一部に触れてくる。


この瞬間がいつまでも続けばいいと
思った。

アヤコさんも入って来れない、
私とタロちゃんだけの居る世界。





アヤコさんが目を覚ますまでの、
束の間の世界。




いつまで続けていられるのだろう。

こんなお伽話みたいな日常は、
早く完結したほうが、
いいんじゃない、
タロちゃん。