私18歳、
タロちゃんは毎日病院へ通う。





ねえ、タロちゃん、
私、タロちゃんの特別になりたい。
タロちゃんにとってのアヤコさんに、


なりたいよ。




タロちゃんは、
もう恋をしないの。

その気になったら、
機が訪れれば、
自然とするさ。




そのとき、
アヤコさんはどうなっているの。

目覚めて、俺のことを、
諦めの悪い俺のことを、
きっぱり振って、
ふらりといなくなって、
遠くで俺よりカッコイイ男と
幸せになってる。

そんなの、空虚だよ。





タロちゃん、私とキスする?

おまえ、何言ってんの。
お兄さんはそんなに飢えていませんよ。

そうやってはぐらかすのね。
タロちゃんなんか、
アヤコさんに一生
はぐらかされていればいいんだ。


そうやって、時間を止めていればいい。
そうやって、
アヤコさんに殺されればいい。
タロちゃんが歩むはずだった人生を、
アヤコさんで埋め尽くして、
窒息してしまえばいい。