「高3だしさ―っ最後に青春してもいいんじゃないの?」
ポッキーに手を伸ばしながら言う。
「でも…まだわかんないし、あっち受験忙しいだろうし…っ」
あたしも、ポッキーに手を伸ばしながら言った。
「あ、食べちゃだめ。これ期間限定でちょっと高かったんだから!」
「ケチ―っ」
むぅっとほっぺたを膨らますと、誰かに後ろから、あたしのほっぺたを指で潰された。
「えっ!?あ…神谷君か、びっくりした…」
「なんかあまりに膨らんでて…向こうにいたんだけど気になったから潰しにだけ来た。」
そう言ってさっさと元にいた友達の所に戻って行った。
「なんだそりゃ…」
「なんかバカップルなノリだね?」
「…違うでしょ。」
たぶん向こうはそんな気全然だと思うけど…
「てか次なんだっけ?…生物か。」
「あ、そろそろ鳴るじゃん。」
ガサガサとポッキーをしまう智花。
結局くれなかったし…ケチ。
キーンコーンカーンコーン――…