「仲良さげじゃん。最近神谷と。」
休み時間、ポッキーを食べながら、あたしをにやにやと見つめる智花。
「仲いいかもだけど、そんなんじゃないし。」
さっき、少しドキドキした事は秘密。
「ま、神谷かっこよくないしね―。
いや、不細工じゃないけどさっ普通じゃん?普通。面白くないんだよね―」
頭の中でプチって何かがキレた気がした。感情のまま、口が動く。
「神谷君…いい人だもん!優しいし!顔が大事なわけじゃないじゃん!笑顔とかっ綺麗だ……し…」
「プクククッ」
笑いをこらえる智花が目に見えた時、初めて騙されているんだと気づいた。
「ふ―ん…笑顔か。好きなんだ―」
「す、好きとかじゃ…ないし。」
なんだかもう、逃げられない気が…。
「ス・キ!なんだ?」
「まだわかんないよ…っ」
本当に、まだわかんない。
でも、目で追ったりしてしまうのは真実。