「え…そうなんだ?
俺、焼けるために結構努力してるんだ。」
「ふーん…どんな?」
「部活で外練時は、半袖も捲ってタンクトップみたいにしてる。」
ついでに日焼け止めも塗らないらしい。
「…そんなに黒くなりたいんだ。」
「ん。俺この肌まじで嫌い。」
そう言って、神谷君は自分の手の甲を嫌な顔で見始めた。
あたしもその時初めて、神谷君の肌をまじまじと見た。
「…まって、超綺麗。」
「肌?白いってこと?よく言わ
「それもだけど、手!超綺麗!手のモデルみたい―っ肌も綺麗だし、いいじゃんっ」
そしてハッと我に返ったあたしは、なんだか急に恥ずかしくなって、神谷君と合っている目を外して、下を向いた。
「……う。」
なんだかボソボソと神谷君の声がしたから、ちらりと見てみると、恥ずかしそうな、はにかみ笑顔で…
「ありがとう。嵩木がそこまで言ってくれたから…」
神谷君は自分の手の甲をもう一度見て、また茶色の瞳をあたしに向けて、
「少し、好きになれたかも。」
そう言って、にこりと笑う神谷君に…体の中心から熱が沸き起こった気がした。
「そ、そっか。よかった…」
バクバクと鳴る心臓に、気づかれないように平然と返事をした。