「わ、わかってるくせに。」
「言ってくれなきゃわからない。」
そう言って、どんどんあたしに迫ってくる。
椅子に座っていたあたしは慌てて立ち上がり下がったけど…すぐに後ろは壁になってしまった。
足が絡まり、ふにゃっと座り込んでしまった。
すると神谷君も座り込んで、あたしを抱えこんだ。
あと1ミリでも動けば触れてしまいそうな唇。
ドクドク鳴る心臓に、真っ赤な頬。
答えをキミは知っているくせに、聞いてくるなんて…意地悪だ。
「ほら、言って?」
キミが呟けば、かかる吐息。
ジワリと汗がでてくる。
「あたし…神谷君が好きなん…っふぅ…」
言った瞬間包み込まれた唇。
「…っう、は…ぁ…はぁ…」
「美菜可愛いね。」
じろりと睨めばニコニコ笑う…奏。
「奏は、好き?」
「…うん、最初からね。」
「どういう意味?」
「秘密。」
ぶ―っと、頬を膨らませたら、唇をペロリと舐めた奏。
カッと赤くなるあたしを見て笑う。