それはある日の事。
僕はこの日をきっかけに、キミが大好きになったんだ。
「それもだけど、手!超綺麗!手のモデルみたい―っ肌も綺麗だし、いいじゃんっ」
そう言って、恥ずかしげに俯くキミ。
僕が昔から気にしていた瞳を、肌の色をキミは綺麗だと言ってくれた。
自分自身では気がつかない手の綺麗さをキミはためらわず誉めてくれた。
そして赤い頬のキミがあまりに可愛くて。あまりに愛しくて。
「ありがとう。嵩木がそこまで言ってくれたから…」
僕は初めて、この瞳が、肌が大好きになったんだ。
「少し、好きになれたかも。」
"少し"なんて嘘なんだ。