キーンコーンカーンコーン―…



「じゃ、次はここからな―っ」


そう言い去っていった先生。



「疲れた―っもぅ帰りたいよ―」


ドサッと後ろの智花の机に倒れ込む。


「あ…。」

「へ?」

智花がいきなり声を出すから驚いて智花を見ると、あたしの後ろを見ていた。



振り向くと、神谷君がずんずんとこちらに向かってきた。


あたしの隣まで来て軽く睨まれた。


「ちょっと、来て。」


「…やだ。」



すると神谷君は、不機嫌な顔を更に不機嫌にして、あたしの腕を引っ張り出した。



抵抗したって無駄だとわかったから黙って着いていった。



*******



誰もいない空き教室。静かなここでは、神谷君の呟くような声がよく響く。


「俺…なんかした?」


茶色の綺麗な瞳をあたしに向けて、さっきの不機嫌な顔とは違って悲しそうな顔をしている。