学校も終わり、智花と別れて自転車置き場に向かう道。
やっぱり見てしまうグラウンド。
…今日はバスケ部いないや。
「…ポッキー買いにいこ。」
足早に自転車置き場へ向かった。
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「いらっしゃいませ―っ」
元気に声をあげる店員を尻目に、目当てのイチゴ味のポッキーを見つけて思わずにまにましてしまう。
210円って高いよな―っ
でも美味しいんだよね―っ
ポッキーとついでに紅茶も買い、コンビニをでた。
蝉がうるさく鳴く中で、聞こえてきた声
聞き間違えるはずなんてない。
「薫は可愛いね。」
「いっつもそればっかり。」
なぜ、聞こえてしまったのか。
なぜ、見てしまったのか。
あたしはずっと、後悔する。
「…神、谷くん。」
あたしの目線の先には、可愛い女の子にあたしにいつもくれる優しい笑顔、甘い言葉を呟く神谷君の姿だった。