しばらく見つめていると、神谷君は苦笑いをしながら聞いてきた。
「…何?」
「…別に。」
むぅ―っとほっぺを膨らます。
…あたしの癖なのかな?
てか、神谷君絶対嘘ついてるよ!
「ぶにょっ」
「プクククッ…っ」
またほっぺを指で潰された。
「…反対じゃないから。」
そう言って、にこりと笑うから。
あたしは頷いてうつむいた。
「ここ家だよ。ありがとう。」
神谷君から自転車を受け取り、あたしは手を振った。
「ん、じゃまた明日な。」
そう言いながらあたしの頭を撫でた。
そして一瞬手を振って、帰っていった。
急いで家に入り、自分の部屋に入ってからカーテンを少しだけ開けて、外を除いていた…
するとやっぱり、神谷君は去っていった方向から引き返して来て、あたしの家の前を通って学校の方向に行った。
「やっぱり反対なんじゃん。」
きゅぅって胸の奥が苦しくなって、熱いものがこみ上げてきた。