空はオレンジ。
少し涼しい風を浴びながら、あたしは帰るために自転車置き場に向かっていた。
自転車置き場へ続く道からは、グランドが綺麗に見える。
ちらりと見てみれば、バスケ部の姿があった。
「今日…外なんだ。」
そして目をこらして見ると、神谷君の姿が目に映った。
一瞬にして高鳴る心臓。
袖を捲ってタンクトップにしているのに気づいて、思わず口元がゆるむ。
「本当に白くて…綺麗なのに。」
真っ黒な他のバスケ部の男の子を見たって格好いいなんて思わない。
白くて綺麗な、あの肌にドキドキする。
しばらく眺めていると、また違う神谷君の表情に胸が鳴る。
いつもは物静かで、近寄りがたい空気をもつ不思議な神谷君。
今の神谷君は、真剣な眼差しで、シュートが決まれば笑顔になる。どこか子供のような空気になっていた。
そんな神谷君にもあたしは目が離せない。
そろそろ気づくべきなのかな。