『はぁ?何だよいい事って。』



どーせこいつの事だから、大した事じゃねぇ。

中学が一緒だった訳じゃねぇけど、こいつのパターンは分かる。




「何でそんなに興味無さげなんだよぉー」



和樹はぷぅーっと頬を膨らませる。




『気持ち悪い顔すんな』




「気持ち悪いとはなんだよ。このキュートフェイスに向かってぇー」



何がキュートフェイスだ…



『お前ちょっと黙れ』




「あーあ、そんな事言っちゃってぇー

柚ちゃんがここに居ない理由知ってるんだけどなぁー」




…?


柚がここに居ない理由?




『何でお前が知ってんだよ!!』




「だって朝会ったもーん!」




『はぁ!?
何で朝柚と会ったお前がここに居て、柚が居ねぇんだよ!!』



同じ時間に同じ場所で会ったはずなのに、おかしいだろ!!




「ん?それわぁ…」


ガラガラ…


「お、遅れてすみませーん;」




和樹が喋ろうとした時、教室の後ろのドアが静かに開いて、小さな声が聞こえた。