「気をつけまっす!」



和樹はそう言って俺の前の席に座る。






てっきり柚だと思ってた俺は心底ガッカリ。








「水原は欠席か…」


そう言って先生は教室を出て行く。






「おぅ、裕也!」



先生が教室のドアを閉めると同時に振り向いて話しかけてくる和樹。




『黙れチビ。』



キラキラ笑顔の和樹に対して不機嫌に答える俺。




「チビって何だよ!!俺と7cmしか変わらない癖に!!」



そう。俺が175cmあるのに対して、こいつは168cmしかない。


だから俺はこいつをチビと呼ぶ。





『7cmも違うじゃねぇか。』




「は!?7cmって、たったこんだけだぞ!?」



和樹は人指し指と親指の間で7cmを作る。




『そんくらい誰でも分かります。』



さらっと言って、俺は授業の準備を始める。




「あ!言ったな!?
じゃあ赤ちゃんは分かるんですかー??」



和樹はしてやったり!と言う顔をして俺を見る。




『お前本当ガキだな。』




「は!?ガキじゃねぇーしぃ!!

せっかくいい事教えてやろーと思ったのに、そんな事ゆーのかぁー」