『ちょっと待ってよ!お願い!!!!!』




シーン…



む、無視ですか…。




『裕也くぅーん』








『おーい』




つんつん。


私は裕也の肩をつんつんする。







つんつんつんつんつんつん………




「しつこい!!」




『教科書見せて!』




「………」




『裕也ぁ〜』





ニヤっ


裕也の顔がいきなり何かを思いついたように緩んだ。




「分かった。見せてやるよ。」




『本当!?ありがとぉ♪』




「その変わり…」




『え?』




「今度、俺の命令聞けよ??」




『め、命令ってどんな??』



「それはまた今度決める。」




裕也の命令ってちょっと恐いな…


けど今は教科書の方が大事だし、命令なんて裕也もすぐに忘れちゃうよね?




『分かったから!
早く教科書〜!!』




「はいはい。」





こうして私は高校生活最初のピンチを乗り越えた。