キーン コーン カーン コーン─…



チャイムが鳴り一時間目が終わった。


次の授業の準備をしていると隣の席のハルが話しかけてくれた。


「佐野,何か最近明るくなったよな?」


「えっ!!?ホント?」


「うん。前よりよくしゃべるようになったって言うか…。いい意味で明るくなったよ!!」


わぁ〜ハルにそんな事言われるなんて…嬉しいなあ!!


「あっ!!それって佐伯君のおかげじゃない??」


後ろから絵実が言ってきた。


「佐伯って誰〜??」


園田君も話しに加わってきた。


「"佐伯"って野球部の佐伯だろ??何でアイツのおかげなんだ?」


「あぁ。春田君は知らないのね。…なんか美桜が体育祭の時にケガした佐伯君を手当てしてあげたらしくて。それで仲良くなったんだよね!?」


「うん。仲良くって言うか。……お兄ちゃんって言うか。」


「お兄ちゃん!!?
…なんかよく分かんないけど,佐伯君面白くて明るいもんねっ!!それに美桜も影響されたんじゃない?」


「う〜ん。…そうかも!!佐伯君はすごいからなぁ。」


「ふ〜ん……。"佐伯"かぁ」


ハルが小声でそう言ったのを私は聞き逃していた。