──ガラガラ…


「すみませ〜ん。足ケガしたんですけど〜。先生いますか〜??」


誰か入ってきた。


「あっ…保健の先生は今グラウンドの方に行ってますけど。」


そう言って私はベットから起き上がった。



「まじっすか〜。どうしよっかなぁ,コレ。」

入ってきたその人をみると足を擦りむいたみたいで血が出ていた。


「どうしたんですか,ソレ!!」


「あぁ〜さっき階段から落ちちゃって。」


「派手にやっちゃいましたね〜。あっ,私でよかったら手当てしましょうか??」


「えっ。い〜の??
じゃーお願いしようかな。」



私は包帯と消毒液とガーゼを持ってきて手当てをした。


「へ〜。手際いいね。」


「あっ,一応保健委員なんで。」


やっと委員の仕事らしいことができたなぁ,なんて内心嬉しかった。


包帯を巻き終わってテープでとめる。


「うわ〜!ありがとな〜。助かったよ。
ところで,君名前は?」


「あっ,2−3 佐野 美桜です。」


「俺は2−4 佐伯 久信(サエキ ヒサノブ) 野球部なんだ。よろしくなっ。」


「よ,よろしくお願いします。」


佐伯君って言うんだ…。


佐伯君は同い年とは思えないくらいがっしりしていて整った顔をしていた。




「美桜ちゃんかぁ〜。
(……これから楽しくなりそう。)


まぁ,仲良くしてなっ。」



そう言って佐伯君は私をギュッと抱き締めた。