「ありがとう。ハルが支えてくれたおかげで大丈夫だよ。…ホント私ってドジばっかり。」
「けがなくてよかったじゃん。」
ホントにケガがなくてよかった。
…………っん??
何か急に佐野の顔が赤くなったぞ。
何か言いたそうな顔をしている。
何だ??何なんだ??
「……ちょっ,ハル…ごめん……手!!…手が。」
そう言った佐野の顔はすっげー赤くなっていた。
「ん……??手がどうしたって??……………っ!!!」
佐野に言われて初めて気付く。
あっ!!俺まだ佐野を支えてたのか──……
って!!! 手っ!!!
俺の手が佐野の腰にっ!!!
「ごっごめん!!!とっさのことで……」
あぁ──……。
やってしまった……。
いくら事故でも女子の腹をずっと持つなんて……。
佐野…嫌だったんだろーな…。
軽くへこむ俺。