「あっ!!お〜い!!」
「あっ!佐伯君っ!!」
廊下から佐伯君が大きく手を振ってくれた。
「あっ!噂をすれば本人登場だね〜!!あれが"佐伯君"かぁ〜。イケメンだな〜。」
園田君がイスから立ち上がって手で丸を作って,双眼鏡を覗くような仕草で佐伯君を見た。
「なんかハーフらしいよ〜!」
絵実も面白がって佐伯君を見る。
「へ〜!!どーりで顔立ちがはっきりしててかっこいいはずだ!!
……って,なんでマイハニーがそんな事知ってるんだ?
…ハッ!まさか浮気…」
「してないから!ってか,いつから私はあんたの妻になったの!!?」
「もぅ!!あんなことまでした仲なのに…」
「どんなことだよっ!!
ってか,顔を赤らめるな!!キモいっ!!」
「えーっ!!何々?何したのー?」
「ちょっ,美桜。本気にしなくていいからっ!!」
またいつもの絵実と園田君の口喧嘩が始まったので私とハルは二人を見ることにした。
でも,今日のハルは何だか考え事をしてるみたいで話しかけても上の空だった。
こんなハルを見るのは初めてだ。
どうしたのかな?
何かあったのかな?
ハルの事が気になって二人が口喧嘩をとめるのも忘れてた。