立ってわざとポーズを取るように身体をくねらす真希。
端から見れば唯の間抜けだ。

「いいか、
かよわい女の子ってのは、
千鶴みたいなおしとやかで素直な女の子の事を指すんだっ!
お前みたいに口が悪くてすぐ暴力を奮う女がかよわい女の子などと、
語る資格もないわっ」

「な、な……それは差別よっ!」

「どこが差別なものかっ、
この単細胞暴力女めっ」

「な、なぁあんですってぇぇぇええっ!!
この馬鹿零二っ!!」

ん、
しまった、このままではまた殴られる?
今日は既に都合四発浴びている。
これ以上は脳に障害をもたらしかねない。
せっかく、
今日、学校に復帰したのに明日から脳外科に通院だなんて笑い話にもならん。

……一方の千鶴は先の俺の言葉にしっかり反応しており、
赤面して俯いている。
いや、
千鶴よ、お前こそまさしくかよわい女の子だ。
自信をもっていいぞ。

「ま、まて、真希。
ぼ、暴力はいかんぞ」

「あはは、
あんたが暴力女、って言ったのよ?
望み通り暴力を振るってやるわよ」