「あのなぁ、
自分のいとこをナンパするやつがどこにいるっ?!
よく見ろ、暴力女っ!」

「暴力女ですってぇ~っ!
もう一遍言ってみなさいよっ……っていとこ?」

俺の言葉に激昂する真希だが、
『いとこ』という、
単語に目を見開いて俺の身体の横から、
後ろであわあわしてる女の子を覗き込んだ。

「千鶴ちゃんっ!
千鶴ちゃんじゃないっ」

「真希さん……」

千鶴の存在に気付いた真希が俺を押しのけて、
千鶴の傍らに駆け寄った。

「千鶴ちゃん、こうして学園で会うの久しぶりだね♪
……隣り、いい?」

「はい、どうぞ」

一応、断ってから真希が千鶴の横に座った。

「千鶴ちゃん、髪型変えた?
私と同じポニーじゃない」

「はい、
一昨日、美容院で……」

「そうなんだ♪
似合ってるわよ、すんごく♪
あたしなんかより全然似合ってるって感じ♪
それに可愛い~~っ♪」

「そんな……あぅ……」

頬ずりするように、
千鶴に身体を寄せる真希。まくし立てられた千鶴は顔から火が出そうなほどに真っ赤だ。