大前提に俺、真希、もっちー、まゆの四人が座れなくてはならない。
中途半端に埋まった席はダメだ。

まずポイント1、
五席の所を探す。
五席よりも十席の方が必然的にテーブルが広いので人気が高い。
よってあえて五席を探す。

次にポイント2、
暗がりを探す。
やっぱり人間の心理上、
より明るいところを選ぶものだろう。

ポイント3、
窓際を探す。
この季節、
窓際からは僅かだが隙間風が入ってくる。

まとめると影が当たる窓際の五席、
ということになる。
俺の状況分析による推論だが。

そんな席に座るというのはまた微妙な話しだが、
贅沢は言えまい。
立ち食いよりはましだ。


「あった」

それはあっさり見つかった。
一番端の角。
ポイント通りの五席のテーブルがあったのだ。

ふふふ、
俺の分析力も大したもんだわい。

「……ありゃ?
……誰かいるのか?」

よく見るとそのテーブルには、
まるで世界から自分だけ隔離されたようにぽつん、と一人の女子生徒が座っていた。

近づくにつれ生徒の姿が明らかになる。