「セコいわね」

「策とはセコいものだ」

「う……一理あるわね」

ある意味、的を得た俺の言葉に言葉を詰まらせる真希。
どうだ、
ぐうの音も出まい。

「さ、席を探そうぜ!
ぼんやりしてると立ち食いになるぜ?」

「はぁ……、
それじゃ手分けして探しましょ」

そう言って面倒臭そうに席を探しにいく真希。
俺も頷いて席を探すことにする。
学食堂の席数は全部で百五十。
十席のテーブルと五席のテーブルがそれぞれ十ずつだ。
かなりでかいのは間違いないが、
日に四百はくるという学食派閥の生徒の半分も座れない。
何よりこの部屋は冷暖房機が完備されているのだ。

つまり注文に於いても席に於いても、
早い者勝ちというのが学食のルールだ。

……ざっと見たところ、
既に半分以上は先攻組に占拠されたようである。

だがポイントを絞って探せば必ず見つかる。
俺は足を踏み出した。