「ほえ?誰か呼んだ~っ?」

しかし、
ぐちゃぐちゃな列の前の方、
カウンター付近で手が上がった。
もっちーこと森智恵美だ。近くには喧騒に必死に身体を小さくしているまゆもいる。
よし、
まだ買っていないようだし、
並び順も前の方だ。
俺の計算通りだ。

「もっちーっ!俺だっ!」

「あ、れーちゃんっ!
どーしたのっ?
今、取り込んでるんだけどーっ」

続いて呼び掛けると、ようやく俺に気付いたようだ。

「すまん、俺の分も頼めるかー?」

「えーっ、れーちゃん、
ずっるーいっ!
ちゃんと並びなよーっ」

「今度、メガトンパフェ奢ってやるから頼むっ」

「マジでっ?
よっし、商談成立♪
何にする~っ?」

「味噌ラーメンにもやし、ひき肉、ねぎトッピング、麺大盛っ」

「任されたっ!
そっちは席の調達をよろ~」

「了解だっ!」

よし、
これで昼飯については都合がついた。
俺は作戦成功とばかりに足取り軽く真希の所へと戻って来た。