歳もまだ二十四と、
私たちと十歳も変わらない。

それ故か、
あだ名で呼ばれることを寧ろ前向きに受け入れて、
生徒ととも学生感覚で接している感じ。

少しくだけた振る舞いと、歳の近さ、美人であるということも手伝って、
生徒からの人気も厚い。

ちなみに担当科目は英語。
授業も分かりやすくて、
明るい雰囲気の授業風景は私もかなり好きかな。


ところが……。

ふと零二を見ると、
机に突っ伏している。
これから待つちょっとした拷問が見えているせいなのか、
刑の執行を待つ罪人のように。

「はぁーい、これから出席をとりますっ!
呼ばれたら元気良く返事……ってあぁ~~~っ!」

美奈先生がこちらの方角を見るなり、
甲高い声を上げた。
そして教壇に出席簿とプリント類を置くと、
足早に零二の机に向かってくる。

「零ちゃんっ、零ちゃんじゃないっ!」

突っ伏したままの零二の肩に両手を乗せて、
身体を揺さぶってくる美奈先生。
あーあ、
零二、ご愁傷様。