「あ、噂をすれば……だね♪」

「んじゃまっきー、れーちゃん、ついでに掛布ちゃん、
また後でね~♪」

まゆともっちーもクラスメートのみんなに紛れて自分たちの席に向かった。
するとすぐに、
教室内に一人の女教師が入ってきた。

「はーいっ、
みんな、お早う♪」

「美奈っち~っ!
おっはよ~~っ!」

もっちーの言葉を引き金にクラスメートのみんなが先生に向かってそれぞれ挨拶をしている。
中にはもっちーのように、『美奈っち』のあだ名で呼ぶ生徒もいて、
先生はそれを特に注意することもなく笑顔を振り撒いている。
緩やかにウェーブのかかった胸辺りまで延ばしたロングヘアと、
白いスーツに身を包んだ姿が清楚な大人、
という雰囲気を生み出しているその先生こそ、
私たちの担任、高木 美奈(たかぎ みな)先生。
一昨年、
つまり私たちがこの学園に入学したときに、
赴任してきた新任教師で、
赴任直前に教育学校を卒業したばかりと、
教師としても新人ほやほやなの。