突然。

天地が逆になり、ややあって。

「グゥッ!」

異人は凄まじい勢いで地面に叩きつけられた。

強烈な衝撃。

ましてや硬い地面だ。

異人はあっさりと伸びてしまう。

「…!」

その一部始終を、藤田は見ていた。

あの男、あれほどの体格差がありながら、異人を投げ飛ばしたのだ。

異人が掴みかかって来る瞬間、その勢いを利用して腕を取り、脚を払って投げ飛ばした。

背負い投げか?

となると柔術か。

それにしても何というキレのよい投げ技か。

あれ程の投げの使い手は、幾度となく修羅場を潜ってきた藤田でさえも初めて目にした。