「!!」

次の瞬間、藤田は驚愕する。

動きを止めなかったのは四郎も同様だったのだ。

貫かれたまま、四郎は藤田の制服の奥襟、そして左の袖を掴む。

…幾多の修羅場を潜り抜けた新撰組の生き残り。

その藤田でさえも戦慄を覚えた。

この構え、この動き。

警視庁武術大会の時に見せた、あの技…!

「く…!」

追い討ちを諦め、即座に間合いを取ろうとする。

この技はまずい。

食らえば藤田とて立ち上がれなくなる。

しかし。

「!!!!」

藤田は離れる事が出来なかった。

四郎の『蛸足』が、藤田の足を掴んで放さない!

そのまま、四郎は彼の足を刈り…!