あれから、夏がやってきた。
この夏、アタシは22歳の誕生日を迎える。
「美優ちゃん、結構お客さんついたし、バースデーイベントやろうか?」
「えー、別にやりたくない。」
「まぁ、お店の為だと思ってさ!!頑張ってよ。」
「頑張ったら、いいことあんの?」
「じゃあ…旅行連れてったる!!」
「別に店長と行ってもなぁ…」
そんな話をしていた時、アサミが話に割り込んできた。
「アタシも協力するし、頑張ろうよ、美優!!」
「はぁ?」
「そしたら、アタシも連れてってよね、店長!」
「あぁ、いいよ。」
店長もバカだなぁ…。
アタシは最近、気付いていた。
店長の優しさが、アサミにだけ向けられているわけではないことに。