翌日私は、学校で優希と顔を合わせないように、休み時間を図書室や音楽室で過ごしていた。

でも放課後帰ろうとしたとき、廊下で聞き慣れた声に呼び止められた。

「美羽、ちょっと話さないか」

優希は戸惑い気味に言ったけど、私は振りほどくように昇降口に向かおうとした。

「待てよ」

「イヤ」

優希は私の手首をつかんだ。荒っぽくて力強くて、なんだか少し、怖い。