だけどそれでも我慢できた。ママもいる。パパもいる。ちょっと喧嘩が多いけどお姉ちゃんもいる。
だから寂しくなんかないっ!って我慢した。



でもあたしはこの頃から孤独感を感じていた。その時あたしはわずか3歳。
ちょうとマンションに移った頃だった。


ガッシャーン!!



勢いよく,なにかが壊れる音がした。ママが泣き叫ぶのが混ざって聞こえる。その後すぐにパパの怒鳴り声が響く。


リビングの隣の寝室で眠る,お姉ちゃんとあたし。
今ので目が覚めたけど。



お姉ちゃんが隣ですすり泣いてるのがわかった。


「ママ死んじゃうかも‥」


目を真っ赤にさせてお姉ちゃんが呟いた。


あたしは3歳にもかかわらず,リビングへと向かった。


恐る恐る足を踏み出す。


「まだ起きてたの‥」

ママが力なき声で言った。辺りは血が飛び散っていた。
ママの頭を見ると,血が垂れている。必死でおさえているが血が床に一滴,また一滴,と垂れている。

あたしはママの前に立ち,
「ママを殺さないで,りさを殺して!ママをいじめるなぁ‥」

きっと声が震えてた。涙も一緒に流れてた。

さすがのパパも娘がかわいいのか,ママに謝った。


この頃から夫婦喧嘩の薬はりさ,と決められるよぅになった。