真里の言うとおり、俺だって深青の居場所がわかればすぐにでも会いに行くのに………。





内心そう思っている綺羅だが、実際に綺羅は慈に言われるまでもなく、すでに深青には会いに行ったのだ。


あの昔の思い出のある如月神社に。


だけど、そこはすでに見知った人がいる場所ではなくなっていた。


あの時の衝撃を綺羅は一生忘れないだろう。


自分が引っ越してまもなくして、あれほど世話になった深青の父が死に、一家は誰にも行き先を告げずに消えるようにしてこの場所を去った。


そのことを中学生になって間もない十三歳の綺羅は受け止められずにいた。


だから、如月神社に何度、訪ねようとも深青がもうそこにいないという事実を受け入れるのに時間がかかった。


会えるのなら、どんな手段を使ってでも会いたい。


そう思っているのは誰よりも綺羅自身だった。








 「これでわかっただろ? 深青を仲間にする話は諦めろ。それよりも、仕事の話をしろよ。ここには何が巣食っているっていうんだ?」


「あ、ああ…それは………」


さすがの慈も自分が踏んではいけない地雷を踏んでしまったと気づき、珍しく大人しくなっていたのだが、綺羅に話を振られてハッと我に返った。


「仕事の依頼は、ここ最近この場所に現れる不思議な光や物音などの怪奇現象が何なのかというのを確かめて欲しいって。それが怪奇現象ならば、除霊もお願いするというのが依頼」


「ひぇ~~~…、やっぱり、幽霊関係かよ~…」


慈の仕事内容の説明に異常なほど反応した柏葉は無意識のうちに真里の背中にしがみついた。