「二人よりもすごい力を持つ人物。すっごいじゃない! 絶対に即戦力になるわね。仲間になってくれれば、今までは無理かもって断っていた破格な依頼も受けれるようになるかもしれないわ」


どこから出したのかわからない電卓を勢いよく叩くと、慈は目をキラキラと輝かせる。


「あの~…、慈。水を差すようで悪いんだけど、深青ちゃんがどこにいるかは私たちも知らないんだけど………」


すでに、仲間に入ってもらう気になっていた慈は真里の言葉にピクリと反応した。


「ちょっと、それってどういうことよ」


「だから~…、深青ちゃんは綺羅くんが転校してすぐに引っ越しちゃったの!」


別に何も悪いことなど言っていないはずの真里に詰め寄る慈。


「引っ越してもどこに引っ越したぐらいはわかるでしょうがっ!」


「それがわからないんだって! わかるようなら、私だって綺羅くんだって、とっくに探してるよ」


「嘘でしょ………」


言葉を失う慈を見てから、綺羅は遠くを見た。