深青のことを話すにあたっても、綺羅と深青との出会いは特殊なもので、どうしても避けては通れないことがある。


それは綺羅と深青がなぜ出会うことになったのか。


それは、ある一定のことを理解してくれたものにしか話せないことだった。







 「深青の名前は如月深青(きさらぎみお)。如月神社の神主の娘というのが彼女の肩書きだった。深青はお前たちの想像通り、能力持ちだよ。それも、俺たちなんて比べ物にならないぐらいのな」


「嘘………だろ?」


何をどう感じてそんな言葉がでてきたのかわからないが、柏葉は呆然とした顔でそう呟いた。


「残念ながら、本当のことだよ。そもそも俺が深青と出会ったのは、俺のこの力のことを深青のお父さんに相談に行ったからなんだ」


「あ…、違うよ。俺が言いたかったのは、彼女が能力持ちだとそんなことよりもお前たち以上の力って。お前たちみたいな力を持ってるだけでもすごいと思うのに、能力に上や下がいるのかと思って………」


「そりゃ、そうだろ」







 俺たちがこの力を持っていること自体が異常なことなのに、深青も持ってるなんて知ったらどう思うかと思ってたけど、なんとなくホッとした。





的外れな柏葉の言葉に救われた綺羅だった。


柏葉はそうだったが、一方、慈は――――