「えっ!? なに!? 今の話からして、まさかその『ミオ』って子もお前たちみたいな能力持ち?」







 真里と綺羅の二人が話している中に、空気を読めない柏葉の声が響いた。


その声に反応するかのようにジロリと綺羅は柏葉を一睨みした。


「お前には関係ない」


「な、なんだよ~~~! その冷たい言い方は~~~! 俺はいつも理不尽にこんな風に巻き込まれてるんだぞ! 教えてくれてもいいじゃないか!!!」


心の叫びとばかりに叫ぶ柏葉。


「別に俺がお前を巻き込んでるわけじゃないだろ? いつも巻き込んでるのはこいつだろうが」


綺羅はクイッと親指を立て、「てへっ」と舌を出して笑う慈を指した。


「うっ………、それはそうだが………」


綺羅の正論に、柏葉は言葉を詰まらせる。


だが、もう一人の柏葉をいつも巻き込んでいる張本人である慈は、これがチャンスとばかりににんまりと笑うと綺羅に食いついてきた。


「ねえ、麻生くん。私もずっと前から気になってたんだけど、その真里と麻生くんの口からよく出てくる『ミオ』って子。一体何者なの?」


ついさっき、同じような質問を柏葉がして、冷たく断られたのに、慈は全く動じずに同じ事を質問する。







 綺羅は慈を一瞥してから、柏葉には言葉で冷たくあしらったが、それとは別に慈には無視を決め込むことにした。