「………霊の結晶体…? それとも、式神の一種か? いや……、でも、あれだけの力を持つ式神を持つとなると、並大抵の力では………」





 ブツブツと言っていた真之だが、初に手を触れようと手を伸ばすと、その手を綺羅に掴まれた。


「これを…、どうするつもりだ? 捕まえて、調べるとでも言うつもりか?」





 怒りに満ちた目で真之を見つめる綺羅。そんな綺羅とは対照的に真之は冷静な声で綺羅を制する。


「よく考えろ。さっきの魔物の物体は俺たちの力でも食い止められないほどの驚異的な力を持っていた。なのに、その鳥はそんな物体の攻撃をただの一撃ですんなりと食い止めたんだぞ。この鳥には、未知の力が隠されているのかもしれない」


「だから、どうしたというんだ?」


「この式神の力を調べることによって、あの魔物への攻撃の道筋を立てられるかもしれない…」


「フッ…。聞こえはいいが、結局のところ、自分たちの力を上げるために初の力を調べるということだろ? そんなことは、絶対にさせないっ!」





 睨み付ける綺羅の迫力にさすがの真之も息を呑んだ。