すると、くわっと目を見開いて慈は真里と雅俊を睨みつける。


 その途端、二人はビクッと体を震わせた。


「ちょっと、今のその『ほ~…』って何よ!」


「え? あ、いや、別に深い意味はないよ。ね、柏葉くん」





 同じように感心していた雅俊を仲間に引き入れるように、真里は雅俊に同意を求める。


「そ、そうだよ。別に深い意味は」


「話し方がしどろもどろの状態では、説得力が全然ない!」





 二人して否定するものの、ぴしゃりと言い放たれてしまい、二人はお互いの顔を見合わせて口を噤んだ。


「とにかく、ペンダントの話は終わり。それに、そのペンダントが問題なら、もっと調べていくうちにわかることでしょ。それに………」





 慈はチラリと礼香と真之へと視線を向ける。


「何も言わずに怪しいものだけ差し出せって言うのは筋が通ってないと思うのよね~? こっちの情報も知ってるみたいだし、そっちも情報出してもらおうかしら」





 腕を組み、真之たちを見る慈に視線を向けてから綺羅もまた二人に視線を向けた。





 二つの情報が交錯することで見えてくることもある。


 このペンダントに何かしらの原因があると言われても渡すことなんてできないけど、それでももしこれが関係しているのなら、俺はもうこの事件から引くことなんてできない。





 綺羅はペンダントをギュッと握り締めて、二人の答えを待った。





 一方、全員の視線を集めてしまった礼香と真之はお互いに視線を合わせていた。


 二人の間では会話はなく、暫しの間、視線を合わせてから二人はお互いに頷きあった。