反射的に、綺羅は制服の上からペンダントのある位置に手を置いた。





 真之が指す、首から下げているものとは、綺羅が深青からもらったペンダントだ。


 なぜ、真之がこのペンダントのことを言うのか意味はわからないが、綺羅にとって大切なこのペンダントに触れる真之の言葉はただの言葉としては受け入れられなかった。


「別に、お前に言う必要なんてないと思うけど」





 敵意剥き出しの綺羅とは対照的に真之は、冷静に綺羅に近づいてくる。


 座っていた綺羅は思わず立ち上がる。


「ちょ、ちょ、ちょっと、海堂くん。どうして、海堂くんはそんなに綺羅くんのそ、その、それに興味を持つの? 説明して!」





 只ならぬ二人の雰囲気に、事情を知っている真里が慌てて間に入る。


「簡単なことだよ。そのペンダントにはとてつもない力が秘められている。封印をされているようだけど、それでも、もれ出てくるほどの力が………」


「封印……? 力…?」





 綺羅は慌ててペンダントを制服の間から取り出す。


 それと同時に過去にこれをくれた時の深青の言葉を思い出す。











『あげる! 綺羅が泣かないようにお守り。だから、泣いちゃダメ。絶対に会えるよ。約束』