「携帯ってどう使うの?」

「こうだよこう」

「あ、光った」

「メールメール」

駿と義則は新機種の携帯を手に持って騒いでいた。携帯にはきっと探知機がはいっているだろう。それでもまるで新作ゲームを買ってもらえた幼児のようにはしゃぐ二人は見ていて微笑ましい。


「梓ちゃん、アドレス教えて」

「いいよー」

「あーあたしもっ」


理生が名乗り出る。放課後の教室の中で、わいわい騒ぐ。興味を持っているのか数人がこちらを見ていた。


「そっちの子もどう?」


気さくに義則は話しかける。


「いえっ……」

「いいです」