ここが達哉のいる病室……。

入るのをためらった。

でも、やっと達哉に会える。

「失礼します。」

「あらっ…奈美さん。」

お母さんがいた。

「こんにちわ。先日は……」

「ごめんなさいね。私、気が動転してて…あなたに酷いこと。」

「いえ……」

達哉がいる。

「じゃー2人で話してくださいな♪」

そう言って、お母さんは病室を出て行った。

まだ、マスクをしている。

こもった声だ。

「達哉…」