動かすときっと、もっと痛い思いをするだろう
今だって、チクチクと肌の中を突く痛みが走っている
だけど…
「アリス、泣き虫だから僕が側にいないと…。」
大事なアリス
幼馴染みの、大好きな。
アリスの為なら、僕は痛みなんて我慢できる
だから、縛るように絡まる茨の中で暴れた。
チクン
チクン
ズキン。
どんな痛みが襲ってきても、止めることはしなかった
そして、僕の腕や足があちこち赤くなってきた頃
茨は全てプチン、と切れた。
そして、僕はすぐに立ち上がった。
アリスを探したい、その一心で痛む体で森を歩き始めた。