「―さぁ、いこうか?…“一人ぼっち”の“裏切り者”の“アリス”…。」
―白兎が、泣き出したアリスに背を向けた
―ゆっくりと、きみが遠ざかる…
―…偶然か、僕の体の向きはきみの方で…
…見たくない泣き顔も
もう見れなくなるなら、見ておきたいな。
「いかないでっ…ウォルナットを連れていかないでよぉ…!!」
「キミは帰ればいい、“アリス”。“一人”でさぁ…。」
振り向かないで
一番、残酷な言葉を
白兎はアリスに言った。
……できるなら…、
…今すぐ、この手でどうにかしてやりたかった…。
もうずっと前から体が限界で…
もうあの場所から、動けないきみを見る…
…これが最後だ…
…見えていた“お別れ”と同じだから……
きみに、伝えるね…?
…聞いていてね、
きっと残りは…数十秒しかない……。
「…ア、リス。…聞いて……。」