わたしは駆け出した。
「ウォルナット?ウォルナットォー。」
地に落ちた枯れ葉に足を取られながら、
わたしは走った。
なんで?
なんで、こんなに胸騒ぎがするの?
ウォルナットに悪いことが起きてるの?
「ウォルナットーッ!」
ほぼ叫び声に近い声で呼びながら、わたしはがむしゃらに森の中を走っていた。
森で迷うことなんて考えなかった
今すぐ、ウォルナットに会いたい…。
そして、わたしは影を見つけた。
藪の中で蠢くなにか、
それがウォルナットじゃないかって思ったわたしは、その藪へ走っていった。
「ウォルナット?」