「きゃああああっ!」
「アリスッ!!」
白兎の憤りに呼応して
わたしに絡まる茨が
体を締めつける力を強めた。
肌の奥に食い込む茨が、
鋭い痛みを生む。
「いたい…よ、ウォルナット…ッ……。」
痛いはずなのに
なぜか、揺らいで
急激に意識が遠ざかる
叫んでいるウォルナットの声も、聞こえなくなる。
これが白兎の言っていた
わたしを“お人形”にする…わたしが終わってしまう、儀式……?
もう、
自分の悲鳴さえ、
聞こえない…。
「アリスを離せ、白兎っ!…ッ離せって言ってるんだ!!」
ウォルナットが
ぼやけた視界に飛び込んでくる
―助けてほしい
―でも、ダメだよ…